最近、設計打合せの中で「ピットリビング」という単語をよく聞きます。
設計の打合せでは、それぞれの時代のスタイルや流れが反映されますので、現在それが時代的に求められているのかと、しっかりと利点と欠点についてお話をさせて頂いております。
初めてこの「ピットリビング」という言葉を聞く方に簡単な説明をいたします。字のごとく、大きなリビングに一段下げたピットを設けることです。

メリットとしては、床を下げた分だけ天井が高くなり、とても開放的になること、そして空間にアクセントが付きドラマティックな変化が生まれること。座った目線が下がるので、落ち着いたスタイルになり、見た目もお洒落な感じになるのが受けているようです。
そのピットにソファーを置かずに大小様々なクッションを置き、各々が好きな姿勢でベンチソファーとして使うなどの面白さがあります。
しかし、何事もメリットがあればデメリットは必ずあります。
まず床の構造が複雑になるので、施工コストがアップします。ピットに埃が溜まりやすいということも考えられます。
当然、段差が出来るので掃除が面倒になりますし、自動掃除ロボットもリビング全体として使うことができません。建築的に造作をするので将来的な間取りや家具のレイアウト変更などが出来なくなります。
実はこの「ピットリビング」は今に始まったことではありません。1960年代の海外の建築、住宅雑誌に当時のモダンスタイルとして色々と紹介されています。古いテレビドラマや映画のワンシーンでも見られた方も多いと思います。
TETTO CASAの設計では、流行だけに乗ることなく、そのメリットとデメリットを総合的に考えながら、クライアント様としっかり打合せを行っておりますので、どのようなリクエストでも、しっかりと対応致しております。
「ピットリビング」をと、お考えの方は十分ご検討くださいませ。
(TETTO CASA Architecture)
