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男子厨房に入るべからず…か

 

今でこそ「男子厨房に入るべからず」なんて言葉を使ったり聞いたりすることも少なくなりましたが、私が子供の頃、この言葉を聞くと、女性が料理をし、男は食べるだけ。また、男子が厨房に入ることは、男性として情けなく駄目なことなんだと、そう子供心に感じていました。

 

この言葉が、さも日本の伝統的家族生活であるという印象を持たせるには充分過ぎるほどの強力なワードだと感じていました。

では、実際に「男子は厨房に入らなかったのか?」少し調べてみました。

 

例えば、戦国時代の武将、伊達政宗は「馳走とは旬の品をさり気なく出し、主人自ら調理して、もてなす事である」と言って食事を振舞っていたとか、また由緒正しい室町武士の気質を残した細川幽斎も料理が大好きだったようです。どうも、時代劇のイメージとは違い、ひょこひょこ厨房に顔を出していたようですね。

 

そんな「男子厨房に入りまくり」的な感覚のキッチン好き、料理大好きな設計者の私は色々と考えています。

 

例えば、キッチンとダイニング、リビングの関係やパントリー的な部屋は本当に居るのかとか、電化製品だらけになりがちなキッチンに実際必要な機器とは…かなりマニアック的な意見や、独断と偏見な意見になってしまいます。そんな私のキッチンデザインコンセプトはづばり「プロ的な機能性とデザインのシンプルさ(掃除がしやすいので)」でしょうか。

 


国内国外問わず、各メーカーは美しく機能的なキッチンのデザインを競い、まるで高級家具のような存在になったようなキッチン。そんなカタログを眺めるのがとても好きなんですが、僕の中ではいま一つピンとこないのは、レストランの機能的に整然と並ぶ厨房機器の美しさが頭にこべりついているからなんでしょうね。

 

TETTO CASAでは注文住宅の家として、キッチンもそうですが、それ以外のものも機能性とデザイン、耐久性、そしてコストを考えてセレクトしてまいります。

 

そんな自慢のキッチンにしてご主人も「男子キッチンに入り浸り」にしてくださいませ。

(TETTO CASA Architecture)