今でこそ「男子厨房に入るべからず」なんて言葉を使ったり聞いたりすることも少なくなりましたが、私が子供の頃、この言葉を聞くと、女性が料理をし、男は食べるだけ。また、男子が厨房に入ることは、男性として情けなく駄目なことなんだと、そう子供心に感じていました。
この言葉が、さも日本の伝統的家族生活であるという印象を持たせるには充分過ぎるほどの強力なワードだと感じていました。
では、実際に「男子は厨房に入らなかったのか?」少し調べてみました。
例えば、戦国時代の武将、伊達政宗は「馳走とは旬の品をさり気なく出し、主人自ら調理して、もてなす事である」と言って食事を振舞っていたとか、また由緒正しい室町武士の気質を残した細川幽斎も料理が大好きだったようです。どうも、時代劇のイメージとは違い、ひょこひょこ厨房に顔を出していたようですね。